日帰り手術について – 西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門「COKU」

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日帰り手術について

About Day Surgery

日帰り手術とは

日帰り手術とは、患者さんが手術当日に来院し、手術を受け、その日のうちに帰宅する手術のことです。日帰り手術の歴史をひも解いてみると、1900年代初頭に、アメリカの産婦人科・麻酔科であるRalph Watersがアイオワ州で日帰り麻酔クリニックを開設したのが先駆けとされています。1980年代にアメリカでは日帰り手術件数は急増しました。本邦では医療保険制度の違いもあり、この分野の発展は鈍いものでしたが、2000年の診療報酬改訂以降、徐々に普及がすすんできました。
日帰り手術は、低侵襲な術式の開発や、短時間作用性で副作用の少ない麻酔薬や鎮痛薬の開発により進歩してきました。患者さんのメリットとしては、早期の社会復帰、早期離床による深部静脈血栓症の予防、高齢者にみられる術後認知機能障害の回避が挙げられます。また、慣れた環境での回復期を過ごすことの精神的な負担の減少も期待できます。
日帰り手術のメリット:

✓ 早期の社会復帰

✓ 早期離床による合併症の回避

✓ 認知機能障害の回避

✓ 精神的な負担の軽減

About Gall Bladder

日帰り手術を行う施設

日帰り手術を行う施設は、大きく分けると以下の3タイプが存在します。
(図01)一つ目は、病院の内部に設けられた日帰り手術ユニットです。設備や人員はそろっていますが、通常の手術や緊急手術の運営も行うため、スケジュールが複雑になったり手術が遅れるリスクになります。
(図02)二つ目は、病院に併設しているものの、機能的にも構造的にも独立している日帰り手術専用の施設です。当院がこのタイプになります。
(図03)三つ目は日帰り手術のみに特化した施設です。このタイプの施設は、治療に入院を必要とするような周術期の予期しなかった合併症などには対応しきれないため、リスクの低い患者さんに対象を絞ることになります。
病院内部の日帰り手術ユニット
病院併設の日帰り手術専用の施設
日帰り手術のみに特化した施設
Reference

日帰り手術の体制について

安全安心に日帰り手術を行うために、日本麻酔学会より「日帰り麻酔の安全のための基準」が示されています。この中には、日帰り手術に適した患者の選択基準、受け入れ体制、麻酔中の安全管理、帰宅基準が記載されています。当院では、このガイドラインを厳守して明確な基準を設けています。離床基準はAldreteスコア(The modified Aldrete scoring system)を評価指標に判断基準を設定しています。帰宅の基準はPADSSスコア(The revised postanesthesia discharge scoring system)を評価指標に判断基準を設けています。また、リカバリールームには専任の看護師が常駐しております。
実際には、手術後はリカバリー室に移動し、上記の判断基準に基づいて離床の判断を行います。離床の基準を満たした場合はソファ型のリカバリーチェアに移り、お休みいただきます。退院の判断にかかる時間はおよそ2時間前後。その間にリカバリー室内で飲水、歩行、排尿、軽い食事を行っていただきます。リカバリー室からお部屋へ移動後にお着替えいただき、退院となります。
帰宅後は、担当の医師もしくは看護師よりお電話で状況の確認を行いますので、不安なことがあればご相談ください。
リカバリールーム

リカバリールームでの軽食

Aldreteスコア
活動性、呼吸、循環、意識、酸素飽和度をスコア化して評価
PADSSスコア
バイタルサイン、活動性、悪心・嘔吐、術後痛、外科的出血を評価して帰宅判断

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