大腸カメラは、正式には下部消化管内視鏡検査の事で、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸を調べる検査です。
日本では、食生活の欧米化などの生活環境の変化に伴い大腸がんの患者さんは増加してします。ほとんどの大腸がんは良性のポリープから発生します。そのため、良性ポリープのうちにポリープを切除することが大腸がんの予防につながります。また、大腸がんと診断されても早期のものであれば、治癒できる可能性が高くなります。
症状のある方はもちろんですが、症状がない方でも40歳を超えた方には大腸カメラを受けられることをお勧めします。
✓ 血便・下痢や便秘など便通異常
✓ おなかがはる・腹痛
✓ 血縁に大腸癌の方がいる
✓ 検便(便潜血検査)にひっかかった
✓ 飲酒習慣がある
✓ 喫煙習慣がある
当院の内視鏡システムは富士フィルム社製のELUXEO 8000システム(2024年6月発売予定)を2024年4月当初より一足早く導入しています。カメラについては富士フィルム社製のEC-760ZP-V/Mを使用しております。先端径11.7mmの高画質カメラであり、ポリープの診断に欠かせない拡大観察機能(表面の細かい構造や血管が観察可能になります)を併せ持つ内視鏡のため、正しいポリープ切除法を選択することが可能です。
大腸の長さや屈曲には個人差があり、検査を行う医師の経験や技量により患者様の苦痛の度合いに違いが出ます。
そこで当院では、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医の資格を持つ医師が検査・治療を行います。
当院では大腸カメラを行う際に炭酸ガスを用いています。
炭酸ガスは、空気に比べて腸管内で速やかに吸収される特性があるため、腸内に長時間空気が残らず、「お腹の張り」「痛み」「違和感」を和らげる効果があります。
また、検査の鎮静(眠り薬)でうとうとしている間に内視鏡検査を行うことが可能です。検査後はリカバリー室でゆっくりお休みいただきます。
大腸カメラの当日に服用する下剤については、当院は以下の3種類を使用します。
それぞれにメリット、デメリットがあり、おおむね以下のようになります。
味 | 服容量 | 薬剤の特徴 | |
ニフレック | レモン風味 , スポーツドリンク | 2リットル | 腎機能が低下していても安全に使用できる |
サルプレップ | 塩味 |
サルプレップ 480ml~960ml +水をその倍量 |
下剤自体の量が少なくて済む 洗浄力が高い 重篤な腎障害では禁忌 |
ビジクリア | 錠剤 |
5錠を 200mlの水で10回、 合計2リットル |
65歳以上で高血圧をお持ちの方や 重篤な腎障害の方は使用不可 下剤の味が受けつけない方にお勧め |
過去に大腸内視鏡検査を受けた際、当日の下剤が嘔吐等で服用困難であった方を対象に、胃カメラから下剤を注入する方法です。当日の多量の下剤を飲まないで検査を行うことが可能となります。下剤の注入の時も鎮静剤の使用が可能です。大腸に大きな腫瘍を疑う場合など、適応できない場合もございますので、まずは診察をさせて頂きます。お問い合わせください。
ご希望の方は院内の専用スペースで下剤の服用をしていただけます。
当院では、大腸カメラ検査中(消化管ドック)に見つかったポリープのうち大きさが2cm未満のものについては検査中に切除する日帰り手術を行っています。既往症のため血をサラサラにする薬を内服されている患者様の場合、お薬の調節が必要となることがあるため、通院中の担当医と相談が必要な場合があります。
(*2cm以上の大きなポリープや早期がんを疑うような病変については、別の日に短期入院治療を行います。)
当部門は病院施設であり、大腸ポリープや早期癌に対する入院での内視鏡治療が可能です。
当院では、土曜日の内視鏡検査も受け付けています。
平日お仕事などでなかなか検査が受けられない方は、ぜひ土曜日の検査をご検討ください。
日本消化器内視鏡学会が推奨する高水準の洗浄機器を導入しております。富士フィルム社製の純正品であり、高コストですが、より安全な内視鏡検査をご提供できます。また、処置具も専用の洗浄機・オートクレーブを用いて滅菌を行っております。
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