内視鏡部門 – 西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門「COKU」

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内視鏡部門

西宮敬愛会病院 内視鏡検査(胃カメラ)の受診や検査のながれ

今回は、当院で受診日当日の胃カメラをお受け頂く流れについて、写真付きで説明します。

具体的なイメージをもって安心していただけるように詳細な説明にしています。

1. 予約につい

COKUでは、電話予約に加え、Webでの24時間予約に対応しています。
お持ちのスマートフォンやパソコンから、予約ページに進むことができます。

モバイル画面 COKU予約ボタン
ブラウザ画面 COKU予約ボタン

2. 前日の準備について

夕食は夜21時までに済ませてください。その他、運動や入浴などに関する活動制限はありません。

3.当院までの経路

当院までの詳細な経路はブログの別のページにアップしていますので、上記リンクよりお進み下さい。

問診票

4. 受付

健康保険証(マイナンバーカード)と、高齢者受給書(お持ちの方)、紹介状(お持ちの方)をご提出ください。
初診時の受付票と、問診票をお渡しします。待合室で記入し、書きおわりましたら受付へ提出して下さい。

COKU 無料WIFi

5. お待ちの間、無料のWi-Fi接続が利用できます。

パスワードは待合の机の上の各所に記載しています。

医師診察

6. 診察室にお呼びし医師の診察を行います。

症状について、問診票を確認しながらお話を伺い、検査が可能かなどを判断します。必要に応じて胃カメラ以外に腹部エコーや採血、CTなどをお勧めする場合があります。
何かご不安な点などございましたら、診察時にぜひお聞かせください。

看護師による説明

7. 医師の診察後、看護師による検査のオリエンテーションを行います。

検査の流れなどをお話し、準備を進めます。

8. 問診後、ロッカールームで検査着に着替えます。

検査着
ロッカールーム

着替えは必須ではありませんが、内視鏡中に使用する薬剤で服が汚れないように、着替えをお勧めしています。

9. 検査前のお薬を服用します

胃の中の粘液と泡をとるためのお薬を服用していただきます。
バナナの匂いがする白っぽい水薬で小さなコップ一杯です。
鼻から内視鏡を入れる経鼻カメラの方は、鼻の粘膜を広げるための点鼻薬を鼻に投与します。

消泡剤+粘液除去剤
ナファゾリン点鼻薬
胃カメラ 鎮静剤の点滴

10.点滴をお取りします。(鎮静剤をご希望の方)

点滴は金属製の翼状針ではなく、プラスチックでできたソフトな留置針を使うので、留置後の違和感やチクチクが抑えられます。過去に採血や点滴で気分不良があった方は、ベッドで寝た状態で点滴をおこないます。

胃カメラ 喉の麻酔

11. 喉をしびれさせる麻酔を行います。

当院では写真のようなサイズの麻酔薬の入った小さな氷をのどに含んでいただきます。
軽く上を向いてなるべくのどの奥に置いておくと、舌がしびれにくく苦みなどの不快感が少ないです。

COKU 内視鏡室

12. 内視鏡室へご案内します。

患者様の誤認防止のため、お名前を確認いたします。

胃カメラ 喉のスプレー麻酔

13.必要に応じて喉にスプレー麻酔を追加します。

濃い目の麻酔薬となっており、胃カメラが喉を通過する際のオエっとなる感覚を改善させるために追加する場合があります。

14. 横になり、血圧計と酸素モニターを装着し、マウスピースをくわえます。経鼻カメラの方は鼻の麻酔を行います。

胃カメラ マウスピース
胃カメラ 鼻の麻酔

酸素モニターは指に装着するタイプです。
鼻の麻酔については、ゼリーの麻酔やスプレーの麻酔で鼻の粘膜をしびれさせた後、麻酔ゼリーを塗ったスティックで鼻を鳴らしてゆきます。当院では富士フイルム社製のスライドタイプの鼻麻酔スティックを使用しておりますので、従来のスティックに比べて鼻の疼痛を軽減してスムーズに鼻の麻酔を行うことができます。

胃カメラ検査

15. 鎮静剤を注射し、検査開始です。検査終了後は検査台のままリカバリー室に移動します。

検査中は常にモニターが装着され、経過を確認・記録し、異常があればすぐに対応できるような体制を整えています。

COKU 内視鏡 リカバリー室

16. リカバリー室で看護師の見守りのもと休憩します。

リカバリー室でも血圧と血中酸素量のモニターの確認を続けて行います。30分から1時間程度の休憩後、目が覚めた段階で着替えをします。

胃カメラの結果説明

17. 診察室で結果の説明を行います。

検査画像をみながら、治療が必要な病変がないかなど詳細に説明させていただきます。

18. 清算を行い、帰宅となります。

以上、胃カメラの基本的な流れをご説明いたしました。
診察時にご不安な点などあれば、お気軽にご質問ください。

西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 消化器内科部長 嶋吉

西宮敬愛会病院 鼠径ヘルニア(脱腸)、大腸カメラの日帰り手術・短期滞在手術

日帰り手術・短期滞在手術とは?

日帰り手術とは、手術を受けた数時間後にはご自分で歩いて帰宅できる治療です。欧米では一般的な手術方法で、日本でもその安全性と利便性から積極的な導入が始まっています。その背景には、医療技術や機械の進歩により、患者様への負担の少ない術式の確立、安全性の高い麻酔方法などにより日帰りで受けられる手術が増えていることが挙げられます。

厳密には、日帰り手術は2週類あります。ひとつは入院施設のないクリニックでの日帰り手術で、保険診療上は外来手術になります。もうひとつは病院や有床診療所での日帰り手術で、保険診療上は入院治療になります。(※当院は病院施設のためこちらに該当します。)

短期滞在手術とは、1泊などの短期入院で治療するものをいいます。

どのような疾患で日帰り手術が可能?

日帰り手術を行うためには次のような条件を満たす必要があります。

  1.手術時間が短く侵襲も比較的小さいこと

  2.術後改めて何らかの治療を行う必要がないこと(ドレーン抜去など)

  3.術後早期に経口摂取、トイレ、歩行などが可能なこと。

  4.術後の創部の痛みは、体動時を中心に数日はあるものの、一般的な通常の内服の鎮痛薬で対処

    でき、入院治療でも自宅療養でも対応に差がないこと

当院で行っている鼠径ヘルニア(脱腸)手術や内視鏡的治療(大腸ポリープや早期がん)は上記の条件を満たしています。

日帰り手術・短期滞在手術のメリットは?

日帰り手術・短期滞在手術の一番のメリットは入院時間が大幅に短縮できることです。術前と同じ環境下で日常生活が継続できるため、早期の社会復帰が可能になります。仕事世代の方では、仕事や家庭の調整などの負担が減りますし、ご高齢の方では周術期の環境の変化が少なくなることで、術後のせん妄のリスク軽減になります。

一般的に総合病院で鼠径ヘルニア(脱腸)や胆のう摘出術、内視鏡的ポリープ切除術などの治療をうけると少なくとも2泊3日~3泊4日の入院が必要となります。(DPCデータに基づく病院情報によると鼠径ヘルニア手術の平均在院日数は4.59日となっています)。多くの総合病院では、前日入院が必要です。病棟や手術室オリエンテーション、手術当日の絶食の管理などを行うためです。当院では、外来で十分にオリエンテーションを行い、手術当日の流れを一緒に確認するため当日入院を実現させていています。また当院のスタッフは外来も手術室も内視鏡室も担当しますので、一貫して患者様と関わっていくことができます。

日帰り手術・短期滞在手術はどのようなところで行われる?

現在多くは一般的な総合病院で治療が行われます。前述のように、長めの入院期間が必要であったり、外来の待ち時間が長かったりすることがあります。また総合病院ではがんの手術や緊急手術も多く行われるため、日帰り手術に向いている鼠径ヘルニアなどの良性疾患の手術枠が多く確保できず、手術待機時間も長くなる傾向があります。

一方で日帰り専門のクリニックは術後に入院を要する場合に対応が難しいため、手術を行う患者さんの条件を厳しくせざるを得なくなります。

当院では、入院も可能な日帰り手術ユニットを併設しているため日帰り手術・短期滞在手術において理想の形となっております。

病歴や術前検査を確認して一部の方には、入院での治療をおすすめすることがありますが、大きな問題のない方は患者さんのご希望に沿って日帰りと入院を選択いただけます。

日帰り手術に適した病院・施設

日帰り手術をうけた後の経過は?

手術後は手術室のすぐ横のリカバリー室で経過をみます。麻酔後の回復をAldrete score system(活動性、呼吸、循環、意識、酸素飽和度)を基本に観察します。問題がなければその後約2時間で、歩行、トイレ、飲水、軽食の摂取などを行います。退院基準(バイタルサイン、自立歩行、悪心嘔吐や疼痛の程度、創部の観察など)をみたせば、診察後に退院となります。退院時には必要な処方を行い、薬や退院後の生活について説明します。翌日に医師が電話をし、体調や傷の状態の確認を行います。

安心安全な日帰り手術のために

日帰り手術が比較的普及してきたことには、負担の少ない術式の確立、安全性の高い麻酔方法が大きく関わっています。当院では麻酔科医師とも連携し、術後の鎮痛対策、悪心嘔吐対策の知識をアップデートしながら手術を行っています。また、適切な術式を選択することで切開創の縮小や手術時間の短縮が行えるように日々努めています。スタッフも日本短期滞在外科手術研究会での勉強などケアの面でもブラッシュアップを行っています。

<当院で日帰り手術・短期滞在手術を受けられた方の例>

事例①:あるご高齢の患者様が日帰り手術を希望されました。過去に長期の入院が必要となり、体力が落ちたことにとても不安を抱いていたそうです。術前検査や帰宅後の環境に問題がないことを確認して日帰り手術を行いました。手術2時間後にしっかりとした足取りで帰宅され、術後数日目の外来では経過も順調でとても満足されていました。

事例②:またある若い患者様は、術後に家に帰ると家事などをしなくてはいけないためゆっくりしたいと一泊されました。術後は問題なくお部屋で休まれており、「久しぶりにゆっくりできました」とお話しされていました。

事例③:お仕事のお忙しい患者様は、土曜日しか来院できないため土曜日の術前検査、日帰り手術、術後外来とすべて土曜日で行うことができました。多忙な仕事の中で通院回数が少なくすんだことをよろこばれていました。

さまざまな背景をお持ちの患者様がいらっしゃると思います。当院では幅広い選択肢を提示できるように丁寧に説明をさせていただきたいと思います。

内視鏡検査で用いる鎮静剤

鎮静剤とは?

内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラ)において、現在は鎮静剤を使用するのが一般的な時代になってきました。鎮静剤は、簡単に表現すると意識をウトウトさせる薬剤のことです。

胃カメラの時は喉に麻酔薬を含んでしびれさせることで不快感を軽減します(咽頭麻酔と呼びます)が、それでも胃カメラが当たる刺激でオエっとなる反射が起こることがあります。大腸カメラにおいても、どんなに丁寧に検査手技を行っても、腸の走行の違いや過去の病気の影響(癒着)で、お腹の張りや痛みが出てしまう場合があります。

それらの症状をコントロールするために鎮静剤が用いられます。

鎮静剤、鎮痛剤のメリットとデメリット

鎮静剤を用いることの一番のメリットは、何より検査を楽に受けることができる点です。

当院ではなるべく患者様の希望に沿って鎮静剤を使用します。また、必要があれば鎮痛剤も併用します。使用する薬剤は、注射薬です。

また、鎮痛薬のメリットとして、患者様が楽に検査を受けられることに加えて、内視鏡医が手技に集中できるという利点もあります。観察や処置は、無駄なくスムーズにするのはよいことですが、急ぐとよくありません。鎮静剤の使用は、患者様の体動の減少などにより質の良い検査・処置につながります。

内視鏡検査時には車の使用を控えてください

一方で、鎮静剤を用いることで注意すべきこともあります。一つは、検査終了後にしばらく休憩が必要となる点です。個人差はありますが、おおむね30分間程度、長い方は1時間程度眠気が残るケースがあります。そのため、当日は自転車を含めた車両の運転はできません。また、検査後は仕事に影響する可能性があり、個人差はありますが、少なくとも重大な決定を伴うような仕事前の検査は控えたほうがよいでしょう。歩行に杖などを使用されているご高齢の方は、使用後の転倒に注意を払う必要があります。

西宮敬愛会病院 内視鏡検査 リカバリー室

もう一つは、過鎮静による血圧や酸素の低下の可能性です。標準的な量を注射しても、反応には個人差があります。また、ご高齢の方は薬の効き方が強いケースがありますので注意が必要です。また、人によっては「脱抑制」といって、意識状態が低下することで逆に興奮して内視鏡を引っこ抜いたり攻撃的になったりする方がいます。その場合は、鎮静剤の種類を変える、あるいは投与量を調整して鎮痛剤を併用するなどし対応しています。

消化器内視鏡学会のホームページ上にも、鎮静剤を使用するメリット・デメリットについて公式な見解が示されています。患者様向けですのでよろしければご参照下さい。

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡Q&A

内視鏡検査で用いる鎮静と全身麻酔との違い

「全身麻酔」は、わかりやすく表現すると、頭部やお腹を切って手術をするときに用いるような、高度な麻酔です。当院の外科の手術も全身麻酔で行われています。

一方で内視鏡検査で行う「鎮静」では、息が止まらない範囲の量の薬を使用することになります。

全身麻酔と内視鏡での鎮静剤は、患者様からすると違いがわかりにくかもしれませんね。実際、「鎮静剤を使用して胃カメラを受けたい」という意図で、「胃カメラを全身麻酔でやってもらえますか」と、聞かれることがあります。

全身麻酔にせよ通常の内視鏡時の鎮静にせよ意識がなくなれば、感じ方は一緒なのですが、全身麻酔で薬の量が増えればその分全身の状態をしっかり評価する必要があります。安全に鎮静を行うために、当院ではしっかりとモニタリング(呼吸状態や血圧の評価)を行いながら、適切な量の鎮静剤の使用を行います。

内視鏡処置時の鎮静や麻酔について

通常の胃カメラや大腸カメラでは数分から十数分と短時間なため、鎮静状態になっている間に終了します。しかし、当院で行う大きなポリープや早期がんの内視鏡治療の際には、処置に時間がかかることもあります。処置用のカメラは観察用のカメラより口径が少し太くなるため、咽頭反射の強い方などでは、長時間の処置がとてもつらく感じることがあります。内視鏡処置(胃・食道の内視鏡的粘膜下層剥離術など)の際には、当院では通常の鎮静で行うことも全身麻酔で行うことも可能です。全身麻酔を行う際には、手術室で麻酔科専門医が担当して行います。

実際には、内視鏡処置は鎮静剤のみでも処置は可能で、多くの施設で鎮静剤のみで行われていることが多いです。短時間であれば鎮静剤のメリット・デメリットを鑑みて、通常の鎮静剤のみで行うことを基本的にはお勧めしたいと思いますが、長時間かかるケースや、処置は短時間で終わりそうでも通常の鎮静剤ではいつもすぐに意識がもどってしまう方など、全身麻酔のほうがよいケースもあります。大腸のポリープ切除や内視鏡的粘膜下層剥離術では、体位を変える必要があることと、口から内視鏡が入っているよりは刺激が少ない点から、メリット・デメリットを考えると鎮静の方がおすすめされます。ぜひ受診時にご相談ください。

ず一致するとは限らないため、使い始める際は十分に慎重を期す必要があると考えています)

内視鏡検査をお考えの患者様へ

当院では患者様により楽に検査を受けて頂くため、なるべく患者様の希望に沿って鎮静剤の使用を行います。一方で、お仕事の都合などで鎮静剤を使用したくない方もいらっしゃると思いますので、そのような場合にも柔軟に対応いたします。しっかりと相談させていただきますので、ご不安やご要望があれば診察時におっしゃってください。

当院のホームページ内に当院での鎮静剤の使用についてとして記載しております。検査当日の注意事項なども載せておりますので、ぜひご一読ください。

西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 消化器内科部長 嶋吉

2024年4月1日より、COKUに内視鏡部門がオープンしました。

内視鏡にまつわるトピックも定期的にあげていきたいと思います。

今回は、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の前に服用する下剤についてお話します。

大腸カメラでは検査前の下剤が必要

大腸カメラでは、肛門から細長いカメラを挿入して大腸の奥まで観察するのですが、事前に下剤を使用して大腸の中をきれいにしないと便できれいに腸がみえません。

大腸からの出血で緊急を要する場合など、下剤を服用せずに行う例もあり得ますが、十分な観察のためにはしっかりとした前処置(下剤による腸の洗浄)が必要になります。

前処置のための下剤の服用方法として、一般的には前日の夜と当日の朝にわけて服用を行います。

大腸カメラ前日の夜の下剤

当院ではセンノシド(錠剤)、ピコスルファートナトリウム(液体)、マグコロールP(液体)の3種類を主に使用します。

それぞれに特徴があり、使い分けています。

1.センノシド:錠剤であるため飲みやすく、便秘の症状が強くないほとんどの方で効果は良好です。

2.ピコスルファートナトリウム:便秘症状の強い方、センノシドでは効果の乏しい方はピコスルファートを1本使用します。

3.マグコロールP:センノシドやピコスルファートは「刺激性下剤」に分類され、大腸粘膜を刺激することで腸蠕動を亢進させます。どちらも飲みやすい薬ではありますが、腸を刺激して動かすため、お腹が痛くなることがあります。マグコロールPは「浸透性下剤」といって、便からの水分吸収をしにくくする(便を水っぽいままにする)ことで効果を発揮します。

もともと便秘が強い方は、数日前から「酸化マグネシウム」や「リナクロチド」などで便通を整えてから、上記の下剤を服用します。

大腸カメラ当日の下剤

当院では、サルプレップ、ニフレック、ビジクリアを使用します。

大腸カメラ 下剤 サルプレップ

1.サルプレップ

サルプレップは、1本480ml入りのペットボトルに入った液体の下剤です。薄めずに使用できます。120mlを10分程度で服用し、そのあとに240mlの水あるいはお茶を10-20分程度で服用します。これを1セットとし、便がきれいになるまで繰り返します。1本で検査可能な方もいらっしゃいますが、1本と1-2セット程度を要することが多い印象です。味はやや濃い塩味です。下剤自体の量が少なくて済むのが特長です。

大腸カメラ 下剤 ニフレック

2.ニフレック

ニフレックはバッグに入った粉末で、2リットルの水で溶解して200mlを15分ごとに服用してゆきます。昔からある下剤であり、重篤な腎障害がある方にも使用できる点が最大の特長です。レモン・スポーツドリンク風味です。間に水をはさまず(飲んでもかまいませんが)使用できるので、飲み方が複雑でないことも利点です。

大腸カメラ 下剤 ビジクリア

3.ビジクリア

5錠ずつを15分おきに200mlの水で服用してゆきます。合計10セット、50錠服用して終了です。特長は何よりも下剤を味わわなくてよい点です。重篤な腎障害や、高血圧をお持ちの高齢者の方は禁忌となります。

まとめると次の表のようになります。

大腸カメラ 下剤の比較表

以前に使用して味や飲み方があわなかった場合には、違う下剤を試してみるなどもできます。経験のある方は、そのような情報もぜひお話しください。

※どうしても下剤が飲めない方

最後に、どの下剤でも嘔吐してしまう方がいらっしゃいます。そういう方の場合、胃カメラから十二指腸に下剤を注入する方法があります。

本来の使用方法ではないため優先されるべき方法ではありませんが、どの下剤も服用できないのなら一生大腸カメラはできないのかという話になりますので、医療者としてこういう方法も対応はするべきと考えます。胃カメラの際は鎮静剤を使用可能です。どの下剤でも嘔吐してしまう方は当院へご相談ください。

※大腸カメラの下剤を上手に飲むために

下剤に関しては、味の観点で冷やして飲まれることが多いですが、水分量が多いので寒く感じがちです。少し暖かい服装で服用されることをお勧めします。また、味が苦手な方は、直接コップで飲むよりストローで飲むこともよい工夫だと思います。

下剤服用後の来院までに距離があるなど不安な方は、病院で服用頂くこともできますのでご相談ください。

前日までの下剤を工夫して調節することで当日の下剤も効果的に行えることがあります。今までの便通の経験や、お飲みになったことがある下剤があればそれの使用感を教えて頂けると、よりよい工夫につながると思いますので、診察の際にはぜひお話ください。

大腸カメラに対する検査の不安や下剤の不安などをお持ちの方も多いと思いますが、大腸カメラは大腸がんの早期発見にはかかせない検査です。検査において最も重要なのは患者様とのコミュニケーションだと思いますので、不安やお悩みをしっかりと聞いて一緒に考えてご相談させていただきたいと思います。

西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 消化器内科部長 嶋吉

内視鏡室のご案内 西宮敬愛会病院 COKU

2024年4月より内視鏡部門が新設されます。

消化器内科診療として胃カメラや大腸カメラ、内視鏡治療を行います。

内視鏡室内に内視鏡システムの搬入や、壁面モニターの取り付けが行われました。まだ準備中ではありますが、一部の機器の紹介をさせていただきます。

まずは、内視鏡システムです。安心かつ精度の高い検査や治療をうけていただくため、FUJI FILM社製の最新機種であるELUXEO 8000システムを導入しています。2024年6月に発売予定となっていますが、当院では先行導入させていただき、兵庫県では最も早い使用が可能です。

内視鏡システムには「CAD EYE」という内視鏡画像診断支援システムも搭載しています。病変の検出支援モードや鑑別支援モード、ランドマークフォトチェッカーなどのサポートにより経験豊富な医師の眼とあわせて、優れた精度で病変部を検出することができます。

内視鏡の洗浄は、日本消化器内視鏡学会が推奨する高水準の洗浄機器として、FUJI FILM社製の純正品を導入しており安全な内視鏡検査をご提供できます。

消化器内視鏡技師の資格を持った看護師も診療のサポートを行います。

2024年4月から診療開始となります。スムーズで安全な診療を行うために現在しっかりと準備を行っております。

ELUXEO8000システム FUJIFILM

西宮敬愛会病院低侵襲部門COKUは、2023年12月に消化器外科領域の良性疾患である、鼠径ヘルニア(脱腸)、胆のう疾患などに対する腹腔鏡手術を中心に行う施設として外科部門の診療を開始しました。

すでに多くの患者様に腹腔鏡手術による治療を提供させていただいておりますが、低侵襲診療の幅を広げ、更に多くの患者様に対して診療を行えるように、消化器内視鏡(胃カメラ、大腸カメラ)を用いた診療を中心に行う内視鏡部門を2024年4月より増設します。

この新規内視鏡部門では、胃カメラ・大腸カメラによる診断はもちろんですが、内視鏡を用いた治療も積極的に行なってまいります。

当院は入院施設もあるため、大きいポリープや早期の消化器がんに対して、内視鏡的粘膜切除術(EMR)また内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といった治療を行なっていきます。

また、消化器にご不安のある方を対象に消化器ドックも開設します。消化器ドックでは内視鏡による診断はもちろんですが、CT、腫瘍マーカーを含む各種採血検査を加えることで総合的な消化器疾患の診断に努めてまいります。

今後、COKUでは外科部門の腹腔鏡手術と内視鏡部門の消化器内視鏡診療・治療を2つの柱として、阪神間の方々に低侵襲治療を提供していきたいと考えております。

西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 主任部長 大塚正久

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