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無駄な大腸ポリープ切除を避ける方法

「ポリープ」という言葉は、医療関係でない方からすると非常に恐ろしく聞こえるものです。
「ポリープ」は、粘膜から発生した隆起物の総称です。
悪性・良性の区別は関係ありません。
粘膜の襞などでもともと飛び出ている構造物以外は、大概の場合はポリープです。
ですので、「ポリープ」という言葉だけでやみくもに恐れる必要はありません。
どういうポリープなのか、が重要です。

大腸ポリープの分類

大腸ポリープは、大まかに「腫瘍」と「非腫瘍」に分かれます。
「腫瘍」は、勝手に増えていく細胞たちの集まり、と定義されます。非腫瘍はそれ以外です。

大腸ポリープの分類

「腫瘍」であるポリープには、癌(悪性)も腺腫(良性)も含まれていますが、いずれも切除の適応となります。
悪性のポリープを切除するのはもちろんですが、良性のものも将来癌化するリスクがあること、良性の腺腫をすべて切除することで大腸がんの将来の発生率を低下させるからです。

「非腫瘍」であるポリープについてはどうでしょうか。
悪さをしないものや、腫瘍性ポリープと見分けがつきにくいもの以外は、切除する必要はありません。
非腫瘍のポリープは出血や腸重積などの悪さをすることがありますが、そういうポリープに限って切除が必要です。
腫瘍性ポリープとの区別は、拡大内視鏡と呼ばれる、顕微鏡のような機能が付いた内視鏡で高精度に行うことができます。
虫メガネも併用して観察する、というイメージです。
参考:日本消化器病学会 大腸ポリープ診療ガイドライン

COKUにおける大腸ポリープ診療の特長

当院ではポリープ切除前には「全例」拡大内視鏡による観察を行ってから切除しています。
一つのポリープあたりにかかる拡大観察は、ほとんどの場合5-10秒程度で終了します。
拡大観察でも腫瘍性ポリープが否定しにくいケースでは、診断的治療としてポリープ切除を行います。
こうすることで、取らなくてよいポリープを区別しつつ、腫瘍性ポリープの全数切除に努めています。
近年のポリープ切除において後出血はかなり稀になりましたが、とらなくてもよいポリープを切除することは、合併症のリスクを生むだけでなく患者様の金銭的負担を大幅に増大させることになります。

まとめ

西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 COKUでは、拡大内視鏡診断を駆使し、適正かつ十分なポリープ切除に努めて参ります。
ポリープ切除のながれについて、ご不安のある方、ご要望のある方は、お問い合わせください。

文責/医療監修 西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 消化器内科部長 嶋吉 章紀

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