西宮敬愛会病院 COKU 鼠径ヘルニアセンターでは、開院以来「安全な手術」を第一に考えてまいりました。
手術における全身麻酔は必ず麻酔科専門医が担当して手術を行います。
開院当初は週3日の手術体制でスタートしましたが、2025年4月より麻酔科の浜部医師、そして外科には畑医師が新たに加わり、より充実したチームとなりました。
これにより、現在は週5日の手術枠を設け、より多くの患者さんの治療に対応できるようになっています。
また、手術チーム全体の動線や準備体制の効率化を行い、1日に3件の手術を行う日でも時間にゆとりを持って術後の経過を診れるようになりました。
現在は月あたり約50件の手術を行っており、地域の皆さまに安心していただけるような外科治療を提供しきたいと思っております。
手術日につきましては、できる限り患者さんのご希望に沿えるよう調整いたしますので、受診の際に希望日などがありましたら、どうぞお気軽にお申し出ください。
当院の手術では、全身麻酔は麻酔科専門医が必ず担当いたします。
麻酔科専門医による術前のリスク評価、術中の循環・呼吸管理、術後の痛みや吐き気対策を行います。
また、万が一の事態に備え、不整脈や血圧変動に対応できる薬剤や機器を常備しております。
患者さんが安心して手術を受けていただけるよう、「安全第一」を徹底しています。
当院では、すべての手術を外科医2名体制で行っています。
手術を担当する医師はいずれも「外科専門医・指導医」、「消化器外科専門医・指導医」、また各々「内視鏡技術認定医」や「肝胆膵高度技能医」などの資格を持ち、豊富な経験を有しています。
多くの手術は定型的なものですが、大きな鼠径ヘルニアや腹部手術後、病脳期間が長いなど複雑な症例も行います。その際に、2名の外科医がお互いに解剖などを確認しながら行うことで、安全性の向上と手術時間の短縮を両立しています。
西宮敬愛会病院COKU 鼠径ヘルニアセンターでは、以下の術式に対応しています。
それぞれの方法には特徴があります。術前検査を行い、患者さんの状態に最も適した術式をご提案いたします。基本的には、傷が小さく回復の早い腹腔鏡手術(TEP法・TAPP法)をおすすめしています。
内鼠径ヘルニアや大きくない外鼠径ヘルニアでは単孔式TEP法、大きな外鼠径ヘルニアではTAPP法というように大まかには使い分けておりますが、どちらの術式も術後の疼痛や再発率などに差はありません。
前立腺手術後などのリスクがある場合には鼠径部切開法を選択することもあります。腹腔鏡手術で開始して途中で鼠径部切開法へ移行する場合、腹腔鏡での操作分だけ傷が増えるため、あらかじめ最適な方法を慎重に選択することが大切です。
また、若年の小さな鼠径ヘルニアの場合には、必要に応じてメッシュを使用しない手術方法も検討いたします。
手術の安全性を高めるために、当院では医師と看護師によるカンファレンスを行っています。
手術前に患者さんの状態や検査結果を確認し、リスク評価と術式の確認・準備物品の確認などについてチーム全体で共有・検討しています。
連携体制の例は以下の通りです:
看護師は、患者さんが手術を受ける際の「安心の橋渡し役」です。
初めての手術に不安を感じる方や、過去の手術でつらい経験があった方など、
患者さんごとの心配事や不安の内容を丁寧に伺い、個別にケアしています。
また、手術中の安全確保はもちろん、手術室内の雰囲気づくりにも力を入れています。
医師と看護師が互いに連携し、「安全で温かみのある手術」を提供できるよう努めています。
また、ペースメーカーを使用中の方や透析治療中の方など、当院での手術が難しい場合は、適切な専門病院へのご紹介も行いますので、まずはご相談ください。
西宮敬愛会病院 COKU 鼠径ヘルニアセンターでは、
外科医・麻酔科医・看護師が一体となったチーム医療で、患者さん一人ひとりに負担の少ない治療を目指して提供しています。
地域の皆さまに信頼される「安心の鼠径ヘルニア日帰り手術センター」として、これからも質の高い医療を追求してまいります。
手術や治療についてご不明な点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
文責/医療監修 西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 消化器外科部長 三賀森 学
公開日:2025年10月8日