鼠径ヘルニア(脱腸)の治療では、近年、腹腔鏡手術による日帰り手術が広く行われるようになっています。当院でも体への負担が少なく、傷口が小さく、回復が早いといった特徴から、腹腔鏡手術を中心に実施しています。
術前検査で問題がない方であれば、手術当日に自宅へ帰る日帰り手術が可能です。一方で「初めての手術が不安」「術後は病院でゆっくりしたい」と考える方も当然いらっしゃいます。そのため当院では、日帰り手術と入院手術のどちらも選べる体制を整えています。
「日帰りと入院、どちらを選ぶ方が多いですか?」という質問をよくいただきます。
これまでの当院の傾向は次の通りです。

術後のふらつきや気分不良などで入院へ切り替わった方は5名(日帰り希望の方の1%未満)とわずかでした。一方で、入院を選ばれた方が術後の状態が良く、日帰りに変更された例もあります。状況に応じて柔軟に対応しておりますのでご安心ください。
通院の利便性や生活背景から、日帰りを希望される方が多い傾向です。
「安心して手術を受けたい」「念のため一泊したい」というお気持ちからの選択が多いです。
遠方からお車でお越しの方は、術後当日は車の運転が麻酔の影響でできません。翌日には運転が可能ですので入院してから帰られる方も多いです。(駐車場は無料でご利用いただけます)
当院は入院設備のある医療機関ですので、日帰りで帰宅された場合でも「日帰り入院手術」となります。多くの民間医療保険で入院給付金の対象となる場合があります。加入されている保険をご確認ください。
当院では、日帰り手術・入院手術のいずれにも対応し、患者さんの生活や希望に合わせた治療を提供しています。経験豊富な外科医が2名体制で担当し、複数の術式から最適な方法を選択します。また、麻酔は専門医が担当し、安全性にも十分に配慮しています。安心して治療に臨んでいただける体制を整えております。

文責/医療監修 西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 消化器外科部長 三賀森 学
公開日:2025年11月1日