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鼠径ヘルニア手術、どんな病院を選ぶべき?|日帰り手術から一泊入院まで対応可能な当院の特徴とは

はじめに

鼠径ヘルニア(脱腸)は比較的よく見られる疾患ですが、「どの医療機関で手術を受けるべきか」「日帰りでも大丈夫なのか」と迷われる方は少なくありません。
実際には、医療機関によって手術の体制や対応可能な術式、麻酔の管理体制、入院の可否などが大きく異なります。

今回は、鼠径ヘルニアの手術を安心して受けていただくために、病院選びのポイント当院の取り組みについてご紹介します。


① 鼠径ヘルニアの手術、どこで受けても同じではありません

鼠径ヘルニアの手術は、全国さまざまな施設で行われている一般的な手術ですが、「誰が執刀するか」「どのような体制で行われるか」によって、安全性や満足度に差が出ることもあります。

総合病院の場合

 ● 鼠径ヘルニアは外科や消化器外科が担当しますが、総合病院ではこれらの科は主に悪性腫瘍の手術(がん手術)を中心に行っており、鼠径ヘルニアを専門的に扱うグループは少ないのが実情です。

 ● 良性疾患に対する手術枠が限られており、手術待機期間が長くなったり、担当医1人あたりの執刀数が少ないことがあります。

 ● また教育機関としての役割もあり、若手医師や研修医が執刀を担当するケースもあります。

クリニックの場合

 ● 日帰り手術に特化している施設が多く、入院には対応していない場合が一般的です。

 ● 術後の痛みや吐き気(PONV)が強い場合でも、入院への切り替えができず、自宅での対応が必要になることがあります。

 ● 高齢者やサポート体制のない方には不安が残るケースも。

当院では、消化器外科の専門医が3名常勤し、2名が術者・助手として全例に参加しています。
初診から手術、術後のフォローまで、一貫して責任を持って対応しています。


② 術式の選択は重要|TEP、TAPP、切開法すべてに対応

鼠径ヘルニアの手術には、以下の3つの主な術式があります。

 ● TEP法(腹腔鏡手術): 完全腹膜外アプローチ。腹腔内に入らずに癒着のリスクが少ない。当院では傷が一か所の単孔式で行っています。

 ● TAPP法(腹腔鏡手術): 経腹膜アプローチ。視野が広く、大きなヘルニアや再発例に適しています。

 鼠径部切開法: 従来の術式。前立腺手術後やメッシュを使用しない症例に適応。

術後の成績に大きな差はありませんが、それぞれの術式には適応の得手・不得手があり、患者さんの体型・ヘルニアの種類・既往歴によって適切な選択が必要です。

しかし多くの施設では、一つの術式に固定されていることもあり、個別に最適な術式を選べない場合もあります。

当院では多くの手術を経験しているためすべての術式に対応しています。術前には十分な説明を行い、患者さんにとって最適な術式をご提案しています。


③ 日帰り?入院?患者さんに合わせた術後プランを

鼠径ヘルニアは日帰り手術にも十分対応可能な疾患で、当院でも実際に約3分の2の方が日帰り手術を選ばれています。

ただし、術後の痛みや吐き気(PONV)は個人差が大きく、事前に完全に予測することは困難です。

当院では、日帰り手術・一泊入院のどちらにも対応しており、日帰りを希望された方でも術後の状態に応じて柔軟に入院へ切り替えることが可能です。

🔸一泊入院をおすすめする場合

 ● 遠方から来院されている方

 ● 自宅でのサポート体制に不安がある方

 ● 吐き気や術後痛の経験がある方

麻酔科医と外科医が術前から連携しており、術後の状態をその場で判断し、最も安全で無理のない方針に柔軟に切り替えられる体制を整えています。


④ 麻酔は誰が担当するか?も重要なポイント

腹腔鏡による鼠径ヘルニア手術では、全身麻酔が基本となります。
その際、「麻酔を誰が担当するか」は、手術の安全性において非常に重要です。

🔸医療機関によって異なる麻酔体制

医療機関によっては、外科医が手術と麻酔管理の両方を兼任している場合もあります。これは施設の規模や診療体制に応じた運営方針であり、一つの形ではありますが、術中のリスクに即応する体制としては限界がある場合もあります。

当院では、全身麻酔は必ず麻酔科専門医が担当します。
麻酔科医が術中の全身管理(呼吸・血圧・疼痛コントロール)を担うことで、外科医は手術に専念でき、より安全な体制が整っています。


⑤ 安心して手術を受けていただくために、当院が大切にしていること

鼠径ヘルニアの手術は、どこで受けるかによって「誰が執刀するか」「どの術式を選べるか」「麻酔体制」「術後の過ごし方」など、医療の質と安心感が大きく変わります。

当院では、以下のような体制を整えています。

特徴 内容
各種専門資格を有する外科専門医が常勤各種専門医・指導医の資格を有する外科医2名が手術に参加。若手医師による執刀はありません。
病状に合った術式を提案TEP・TAPP・鼠径部切開法すべてに対応。患者さんに最適な術式を選択。
全身麻酔は麻酔科医が担当麻酔科専門医が全身麻酔を担当し、手術中の安全を確保。外科医は手術に専念できます。
日帰りと入院、どちらにも対応日帰り手術から一泊入院まで対応。術後の状態に応じて入院へ切り替えも可能です。
丁寧な説明と対応不安を払拭できるよう、スタッフ全体で丁寧な説明とサポートを心がけています。

患者さんの不安に丁寧に寄り添い、COKUの理念である「体の傷も、心の傷も可能な限りゼロに近づける」を目指します。

まとめ

鼠径ヘルニアの診断や手術をご検討中の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談ください。
一人ひとりに合った治療をご提案いたします。

文責 西宮敬愛会病院 低侵襲治療部門 消化器外科部長 三賀森 学

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