先月末に施設の写真をとりました。今まで建築中のこともありホームページの写真もパースやイメージ図が多かったのですが、実際のわれわれの施設の写真を載せることができました。
手術室では実際にガウンをきて、麻酔科の先生や手術室看護師とともに手術台を囲み、手術器具を用いて雰囲気が少しでも伝わればと思い写真をとってもらいました。
外来診察室では実際に患者さん役の方に鼠径ヘルニア手術の説明を行っているところを撮影しています。
手術を考えられている患者さんの不安や心配は当然大きなものだと思います。われわれのホームページをみていただき施設やスタッフの雰囲気を感じていただき、少しでも安心いただき受診いただければと思います。
鼠径ヘルニア(脱腸)や胆石などを指摘されたことのある方はぜひ一度ご相談ください。
当院 新低侵襲治療部門COKUの内覧会を11月30日から12月2日にかけて行いました。
内覧会にあたり、たくさんのお祝いのお花をいただき、COKUのエントランスが華やかになりました。
内覧会中は多くの方々に来院いただき、当施設の特徴やコンセプトを知っていただける良い機会となりました。以前に所属していた施設で一緒に働いていた先生方にも足を運んでいただき、思い出話も交えながら大変充実した3日間でした。
さて、12月4日からはCOKUは本格始動します。
今後、鼠径ヘルニア(脱腸)や胆嚢疾患などの良性疾患の患者様に腹腔鏡手術による治療を提供していきます。
COKUチーム一丸となり、患者様のご負担を心身ともにゼロに近づけるというCOKUのコンセプトを実現するように日々精進してまいります。
手術室のご紹介をさせていただきたいと思います。
大型の機械の搬入を順調にすすんでいます。腹腔鏡手術を安全・安心に行うために様々な手術機器を導入しており、今回はいくつかの説明をさせていただきます。
まずは、腹腔鏡システムです。腹腔鏡システムはオリンパス社の最新モデルであるVISERA ELITEⅢを採用しています。優れた画像処理能力により小さな傷のために使用する細径スコープでも近年は鮮明な画像が得られます。腹腔鏡手術ではスコープの画像を見ながら手術を行いますので、画像の質は手術の質に関わってきます。
次に全身麻酔に必要な麻酔器です。麻酔器はドレーゲル社のDräger Atlan® A350を採用しております。ドレーゲル社は麻酔器に長い歴史があります。電気駆動のベンチレーターによる精度の高い換気を実現し、AutoFlow搭載で設定換気量をターゲットにしながら必要最低限の吸気圧による呼吸器管理ができ、腹腔鏡、気腹下症例などの肺コンプライアンス変動にも対応可能です。また、日本光電社の生体モニターでは心電図、血圧や酸素化のモニターはもとより、麻酔に用いる筋弛緩薬の効果を確かめる生体モニターや脳波で麻酔深度を確認するBISモニターも使用可能です。バイタルサインがリアルタイムに電子記録されることで、より安全安心な麻酔管理が可能です。
電気メスなどのエネルギーデバイスシステムは、アムコ社のVIO3とオリンパス社のSURGICAL ENERGY PLATFORM(ESG-410/ USG-410)を採用しています。どちらも最新モデルであり、電圧制御技術から生み出された出力により、安定した止血と迅速な切開をサポートします。手術室は2つあるため、万が一の機械トラブルなどに際しても複数台の機器でバックアップ可能です。
最後に手術器具では、腹腔鏡鉗子や持針器などわれわれ外科医の手の代わりとなるものですので、先端の形状や長さなど十分にこだわって選んだものを用意しています。
これらの手術器具に加えて、われわれの経験や技術力をあわせて安全な麻酔、丁寧な手術を行っていきたいと思います。
リカバリー室のご紹介をさせていただきます。
当院で手術を受けられる患者様のながれをまずはご説明いたします。当日の朝に体調が問題ないことを確認した後に、病棟のお部屋に移動してお着替えを行っていただきます。そのあとに、スタッフとともに手術室へと移動して、麻酔後に手術を行います。手術が終わりましたら麻酔を覚まします。その後に、ストレッチャーに移り手術室横のリカバリー室に移動します。
リカバリー室では可変式のストレッチャーで約15分様子をみて血圧など問題がなければリクライニングソファに移動します。約2時間のなかで、トイレや飲水、軽食を食べていただき日帰り手術であれば帰宅して問題ないかを確認させていただきます。入院の場合もリカバリー室でお休みの後にお部屋にお帰りいただきます。
リカバリー室には看護師が常駐しておりますので、お困りの際にはお気軽にお声掛けください。
診察室のご紹介をさせていただきたいと思います。
当院では電子カルテを導入しております。専用の端末をもちいてCT画像など術前検査結果をご説明させていただきます。
手術に対しては、皆様少なからず不安があると思います。不安を和らげるためには、設備の充実や手術の技術などは当然ですが、手術前の丁寧な説明も大切なことと思います。術式の選択や合併症の説明など、一般的なことに加えてわれわれの今までの経験もふまえてお話させていただければと思います。
手術までの流れや、術後の注意点などはパンフレットを用いてご説明をいたします。日帰りや短期入院を行ううえでとても大切な食事や飲水の可能時間や、中止薬などのご案内もわかりやすくお伝えいたします。
不安が少しでもあれば手術前にぜひなんでもご質問いただければと思います。治療に関しては医師から、手術前後の生活面のケアについては看護師から、費用面に関しては事務といったそれぞれの専門職からお答えさせていただきます。
新規開設準備が順調にすすんでいます。
治療を受けていただく患者様に少しでもリラックスしていただけるようにこだわって準備を行ってきました。今回は待合室のご紹介をさせていただきたいと思います。
待合室の窓面は、玄関の前のロータリーを望むように位置しており、大きなガラス面からやさしい光を取り込みます。周囲には新しく植栽も行っており、大きく育ってきた際には四季を感じていただけると思います。
ソファの間にはテーブルや充電に使える電源タップもご用意しております。また大型の液晶テレビを設置しており、デジタルサイネージとして診療情報のご案内を行います。待合室は手術時には患者様のご家族の待機場所となり、テレビをご覧になりながらお持ちいただけるようにいたします。
受付ではスタッフ一同笑顔でお迎えいたします。なにかご不明な点などございましたらご遠慮なくお声掛けください。
COKU消化器外科部長の三賀森です。
11月17日に岡山で第85回日本臨床外科学会総会の総会特別企画で発表を行ってきました。
テーマは「魅力的な外科であるために必要な施策を考える」でした。外科医として若手の先生にいかに外科および手術の魅力を伝えるか、働く環境を整えるかという内容が多く挙げられていました。そのために、さまざまな病院や大学でいわゆる古い外科医像である「厳しさ」「根性」といったものから脱却を図ろうとされている発表が多くありました。
私自身もビジネス書や指導論といった本を多く読んで、指導方法についての考えをまとめました。今の若い世代はこうだから・・ではなく、本当に伝えたい内容が伝わる方法はどういったものだろうかということを考えました。命にかかわる現場では時に厳しくなることもあります。しかし、本当に相手に大切なことを伝えるためには「丁寧な」指導方法を勉強する必要があります。
また、外科医としてのキャリアについても少し触れました。消化器外科は学会や医局のキャリアの見せ方が単線型のキャリア形成であるように感じます。手術以外にも留学、論文、研究とオールマイティな人がのみが狭きゴールにたどりつける道は、もちろんあこがれるものだとは思います。しかし、現場の最前線で手術の腕を振るう根っからの臨床医ももっと評価もされるべきだろうと思います。多様なキャリアプランが見えてこそ、若手の先生も安心して外科の道に入っていただけるのだろうと思います。
当院での治療は手術が主体のまさに臨床最前線の治療となります。そこに我々が学んできた研究マインドを盛り込み、洗練された治療を心がけていきたいと思います。
我々COKUの名前の由来である“虚空”の名前を有されている菩薩がおられるのをご存知でしょうか?
知恵の神様である虚空蔵菩薩です。
ある菩薩の解説によると虚空蔵菩薩は『虚空(大空)のように無量の福徳・智慧(ちえ)を具(そな)え、これをつねに衆生(しゅじょう)に与えて諸願を成就させる菩薩である。』とされ、広大な宇宙のような無限の知恵を人々に与える菩薩とされています。
京都の嵐山にこのCOKUにも由来がある虚空蔵菩薩を本尊とされているお寺があることを知り参拝してきました。
虚空蔵法輪寺は風光明媚な京都の嵐山にあり、観光も兼ねて家族と伺いました。
法輪寺の舞台からは渡月橋や嵯峨野を一望でき、眺望も素晴らしいものでした。また、お寺は神社仏閣特有の凜とした佇まいはありましたが、虚空蔵菩薩の全てを包み込むオーラのためか柔らかい雰囲気も持ち合わせていました。
さて、以前にも書いておりますが、COKUには患者様のご負担をゼロにしたい問い思いを込めていますが、もう一つ別の意味があります。虚空には仏教用語で『何も妨げるものがなく、すべてのものの存在する場所としての空間。』という意味もあります。
このCOKU開設にあたり、これまでには医療機関には無いような新しい施設にしたい、限度という縛りを設けない無限の可能性を持った施設にしたいという思いも込めました。
虚空蔵菩薩を拝観し、この零に近い単位としての“虚空”と無限の広がりとしての“虚空”に思いを馳せ、今後もこのCOKUの精神を忘れずに前に進んでいくという思いを改めました。これからも、COKUのメンバー皆で低侵襲性の追求と全てを包み込む優しい診療を目指していきます。
11月7日、関係者の方々にご臨席いただき、竣工式を執り行いました。
斎主を廣田神社からお招きし、神事を催していただきました。
COKUの外来ブースでの式典でしたが、現代的な建築の中で古式床しい式典が進んでいく様子は神々しい雰囲気であり、今後のCOKUの明るい未来を象徴しているようでした。
COKUには手術室が2部屋(ロボットも導入可能)、外来ブースが3部屋、リカバリー2部屋とクオリティとしては大病院にも引けを取らない施設となっております。
また、今後、搬入を予定している手術器具もそれぞれのメーカーの最新機器を取り揃えており、麻酔器・麻酔モニターも最新のものを導入しています。これらの機器を駆使して、鼠径ヘルニア・胆のう疾患などの外科的良性疾患に対して、安全性を追及した治療を行っていきたいと思います。
この竣工式を無事に終え、COKU設立までにお世話になった方々への恩返しと共に患者様にCOKUの理念を追求した治療をご提供できるように思いを新たにしました。
我々はこの新しい施設で常に前を向いて進んでまいります。
COKU 主任部長の大塚正久です。
新規開設準備が順調に進み、12月4日より診療開始予定となりました。
診療開始にあたり、新規メンバーを迎えチーム一丸となって準備を行なっております。
さて、2018年の年賀状を見返していると、同僚の外科医の先生からの『大塚先生、良性疾患センターはいつ開業ですか?』というコメントを見つけました。COKUの計画は5年以上前から構想していた事を思い出し感慨深く感じております。
私がCOKUの計画を立てはじめた頃は、大腸外科医として大腸がんや外科的良性疾患の手術をほとんど腹腔鏡で行なっていました。しかし、約20年前の私が研修医の頃は依然として開腹手術が主流でした。その当時に比べると手技や器具の進歩によって患者様のご負担が小さくなった事を常に肌で感じており、そのような手術手技の変遷を実臨床でリアルタイムに見ることができた経験が低侵襲治療(負担が少ない治療)を謳ったCOKU開設の原動力になりました。
今後、我々消化器外科医が行う手術はロボット手術などによるハイテク化が進んでいくと思います。COKUはロボット手術の導入にも十分対応できる施設になっています。ホームページ上でも記載していますが、COKUは限りなく“ゼロ”に近い単位である“虚空”から命名しました。COKUの『患者様に対するご負担を心身ともにゼロに近づけたい』という理念を実現できるように、我々は最新のコンテンツを導入し更なる低侵襲な手術の構築と治療レベルの向上を常に行なっていきます。
鼠径ヘルニアや胆嚢疾患など外科的良性疾患でお困りの患者様にCOKUで治療を受けて本当良かったと感じていただけるように、我々は最善の治療を心掛けてまいります。