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胃カメラ検査の費用はいくら?保険適用と自由診療の違いも解説

2025.06.13

胃カメラ検査は、内視鏡スコープで食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察する検査で、胃がんをはじめとした多くの病気の早期発見と治療に役立ちます。胃カメラのスコープは細くなり、苦痛を和らげる検査方法も広くおこなわれるようになり、検査自体のハードルは以前に比べて低くなっています。

一方、胃カメラ検査は、症状があり医師から指示されて受ける場合や、健康診断や人間ドックで受ける機会がありますが、費用はどれぐらいかかるのか、不安に思う方も少なくないでしょう。胃カメラ検査の費用相場や費用を抑える方法を知ることで、不安を少しでも払拭できれば、安心して検査に臨むことができるはずです。ここでは、胃カメラ検査の費用相場を中心に気になる胃カメラ検査の費用が変わる点や費用負担を抑える方法まで詳しく解説します。

1. 胃カメラ検査の費用相場はいくら?

胃カメラ検査を受けることになった時、やはり心配なのは費用の面ではないでしょうか。ここでは、胃カメラ検査の費用の目安と費用の内訳について説明します。費用については、令和6年度の診療報酬点数に基づき算出しています。

1.1.胃カメラ検査の目安費用

胃カメラ検査の費用の目安は、胃カメラ検査が保険診療でできる場合と、自由診療で受ける場合で大きく異なります。基本的に、何らかの症状があり、医師が診断のために胃カメラ検査が必要であるとした場合には保険が適用されます。国民皆保険の日本では、年齢により1~3割の自己負担で検査を受けることができます。

一方、症状がなく、健康診断や人間ドックとして胃カメラ検査を受ける場合には、保険の適用にはならないため自由診療となり全額自己負担です。

また、胃カメラ検査が観察だけの場合と、検査中に疑わしい点があり組織を採取して病理組織検査がおこなわれる場合で、胃カメラ検査の総費用は変動します。

これらを踏まえて、保険診療と自由診療における胃カメラ検査の費用の目安を紹介します。

保険診療の場合

保険診療の場合は、胃カメラ検査の費用が診療報酬制度によって定められているため、検査費用自体は3,420円(3割負担)で、どの医療機関でも同じです。これに検査に必要な薬剤や検査が上乗せになり、さらに病理組織検査が必要な場合にはさらに加算されます。保険診療であっても、医療機関によって加算される費用は多少の違いがあります。

・胃カメラ検査(観察のみ)

胃カメラを用いて食道、胃から十二指腸の一部までを観察し、異常がないか確認する検査です。以下には、検査に必要な薬剤などの費用が含まれています。

  • 1割負担 約2,000円
  • 3割負担 約6,000円

・胃カメラ検査+病理組織検査

胃カメラを用いて疑わしい箇所を発見した場合に、組織を採取(内視鏡下生検)して顕微鏡で観察し病理診断する検査です。以下には、検査に必要な薬剤などの費用が含まれています。

  • 1割負担 約3,000円
  • 3割負担 約9,000円

自由診療(保険適用外)の場合

自由費診療の場合は、医療機関が自由に費用を決めることができるため、その費用には幅があり高額を設定していることもあります。当院においては、自由診療における胃カメラの費用は20,000円となっております。生検などを行った場合、追加費用が必要になります。

1.2.胃カメラ検査の費用内訳

胃カメラ検査の費用の中には、検査費用のほかに、検査中に使用する薬剤のほか、処置や検査にともなうさまざまな費用が発生し加算されます。医療機関で会計の際に発行される診療明細書には、かかった費用の内訳が記載されていますので、確認するようにしましょう。ここでは、胃カメラ検査費用の内訳について説明します。

▼診察料

医療機関を受診した時に、必ずかかる費用です。初めての受診では初診料として890円(3割負担)、2回目以降は再診料として390円(3割負担)がかかります。ただし、医療機関の規模や設備などで、別途追加費用が加算される場合もあります。

・胃カメラ検査

基本的な胃カメラ検査の費用は3,420円(3割負担)です。この金額に、染色を施し病変部を浮かび上がらせて観察する場合(色素内視鏡法加算)には180円(3割負担)が加算されます。

・薬剤費

胃カメラ検査の際には、のどや鼻の麻酔薬、胃の泡を消す薬、胃の粘膜を溶かす薬などを使用します。使用する薬剤や剤型(スプレー、ゼリーなど)によって違いがありますが、合計200円(3割負担)程度です。

また、胃カメラ検査では、検査時の苦痛を和らげるために、鎮静剤を使用することがあります。使用する薬剤ごとに違いがありますが約100~300円(3割負担)程度です。

・病理組織検査費

検査中に疑わしい病変部がみつかった場合に、内視鏡ファイバーを用いて組織を採取し、顕微鏡で観察し病理診断をおこなうことがあります。病理組織検査費として、内視鏡下生検法310円~620円、病理組織顕微鏡検査1,720円、病理診断料390円がかかり、合計で2,420円~2,730円がかかります。

・ピロリ菌検査

胃カメラ検査で胃潰瘍・十二指腸潰瘍が確認されたり、胃炎の症状が確認できたりした場合など、ヘリコバクター・ピロリ感染が疑われた場合にピロリ菌検査をおこなうことがあります。ピロリ菌検査の方法によって違いがありますが、1,500円程度(3割負担)の費用がかかります。

2.胃カメラ検査の費用が変わるポイント

胃カメラ検査の費用は、検査前に分かっている費用(胃カメラ検査の費用、使用薬剤など)のほかに、検査中の状況によって追加になる費用(病理組織検査、ピロリ菌検査など)があり、最終的な費用は変動します。胃カメラ検査の費用が変わる3つのポイントと費用の差について説明します。

2.1.経口か経鼻の選択

胃カメラ検査には、内視鏡ファイバーを口から挿入する方法(経口胃カメラ)と、鼻から挿入する方法(経鼻胃カメラ)があります。基本的な胃カメラ検査の費用はいずれも3,420円(3割負担)です。当院において、基本的な観察や生検をする胃カメラであれば、経口と経鼻で費用は変わりません。経口と経鼻では、それぞれメリット・デメリットがあり、検査の前に費用面での違いも聞いておくと良いでしょう。

2.2.鎮静剤の有無

経口胃カメラ検査の場合、口から内視鏡スコープを挿入する苦痛やのどの反射を和らげるため、静脈注射で鎮静剤を使用し、うとうとした状態で検査をする医療機関が増えています。経口胃カメラ検査で鎮静剤を使用する場合には、鎮静剤の費用がかかるため、経鼻胃カメラ検査より20~160円(3割負担)程度高くなります。

2.3.病理診断など追加の検査

検査費用が変わる大きなポイントとして、胃カメラ検査中に追加の検査が必要になった場合があります。例えば、疑わしい病変が見つかった場合におこなう病理組織検査では、基本的な胃カメラ検査の費用のほかに合計で2,420円~2,730円(3割負担)が、ピロリ感染が疑われた場合おこなわれるヘリコバクター・ピロリ検査では、検査方法により約1,500円(3割負担)の費用が加算されます。

3.胃カメラ検査は保険適用される?

胃カメラ検査の費用は保険適用されるか否かで大きく異なります。どのような時に保険が適用されるのか抑えておきたいものです。保険適用になる場合と自由診療になる場合の条件について説明します。

3.1.保険適用になる場合

胃カメラ検査が保険適用になるのは、医師が「胃カメラ検査の必要性がある」と判断した場合です。例えば、以下のようなケースでは、その原因を明らかにし診断・処置する目的で胃カメラをおこなうため、保険適用になります。

  • 症状がある場合:胃が痛い、胸やけがする、吐き気がある、黒色便、食道やのどの違和感など
  • 健康診断や人間ドックで異常が見つかった場合:精密検査が必要
  • フォローアップ:胃の病気にかかったことがある
  • 胃がんリスク健診(ABC健診)でピロリ菌陽性の場合:除菌のための胃炎の確認
  • 治療が目的の場合:吐血に対する止血、アニサキスや食道異物の除去など

3.2.自由診療になる場合

医師の判断ではなく、自分の判断で胃カメラ検査を受ける場合は、基本的に自由診療となり、胃カメラ検査の費用は全額自己負担となります。以下に自由診療となるケースを紹介します。

  • 医師が不要であると判断した場合
  • 現在は無症状で、健康診断や人間ドックの一環として検査を希望する場合
  • がん家系など、胃がんのリスクを心配して、定期的に検査を受ける場合

4.胃カメラ検査の費用負担を抑える方法

胃カメラ検査は自由診療の場合はもちろん、保険適用になったとしても高額な検査といえます。少しでも費用負担を抑える方法として、企業や行政の助成金制度や、国の医療費控除制度があります。以下にその制度と利用方法を説明します。

4.1.企業の助成・補助制度の利用

社会保険に加入している場合、所属の健康保険組合から胃カメラ検査の費用の一部が補助されたり、健康診断にオプションとして胃カメラ検査を追加した場合、その差額が補助されたりする制度が利用できることがあります。また、本人だけでなく扶養家族も対象になる場合もあります。助成制度の対象や検査内容などを、健康保険組合に確認して利用すると、負担額を抑えることができます。

4.2.自治体の助成・補助制度の利用

何も症状がないため自由診療になるケースでは、自治体の胃がん健診を利用すると、費用を抑えることができます。自治体の胃がん健診ではバリウム検査の場合がありますが、助成金があり、少しの費用で胃カメラ検査を受けられる自治体が増えています。任意で申し込みをする場合や、個別に自治体から受診券が送られてくる場合などがあります。

また、国民健康保険の場合、人間ドックに対する助成制度があります。助成制度の有無や金額、具体的な条件などは自治体によって異なるので、お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

4.3.医療費控除制度の利用

胃カメラ検査を保険診療で受けた場合、医療費控除制度を利用すると、1年間に支払った医療費の全額が10万円を超えた分について、所得税や住民税が軽減されたり、一端支払った税金が還付されたりする場合があります。医療費控除制度を利用するには、翌年の3月15日までに確定申告をする必要があります。扶養家族の医療費や医療費控除の対象になる市販の医薬品、交通費なども医療費控除の対象になるため、医療費の明細書や領収書はしっかり保管するようにしましょう。

費用の不安を解消して、安心して胃カメラ検査に臨もう

胃カメラ検査というと、苦しい上に費用が高いなど、悪いイメージを持っている方も少なくありません。最近の胃カメラ検査は、内視鏡ファイバーが細く、鎮静剤を使うことで苦痛も少なくなっています。また、費用に関しては、一般的に症状があれば保険適用になり、社会保険や自治体からの助成金や補助が利用できる場合もあるため、自己負担額を抑えることもできます。胃カメラ検査は、その画像も鮮明で診断能力が高く、多くの胃の病気の診断と治療に役立つ検査です。医師の指示がある場合には、検査や費用に対する不安を解消して、積極的に胃カメラ検査に臨むことをおすすめします。

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