予約・お問い合わせ 診断
お問い合わせ電話番号
0798-64-0059
0798-64-0059
医療関係者の皆様へのご案内はこちら

鼠径ヘルニア

脱腸とも呼ばれる手術適応の疾患です
鼠径ヘルニア
脱腸って知っていますか?
About Inguinal Hernia

鼠径ヘルニア(脱腸)ってとは?

鼠径ヘルニアは、一般に「脱腸」と呼ばれる良性の病気です。
成人の場合、加齢などの影響で足の付け根(鼠径部)の筋肉や組織が弱くなり、お腹の中を包んでいる膜(腹膜)の一部が袋のように外へ出てしまうことで、足の付け根がふくらんで見えるようになります。

鼠径ヘルニアは、外鼠径ヘルニア・内鼠径ヘルニア・大腿ヘルニアの3つに分けられ、鼠径部にあいている穴(ヘルニア門)の大きさによって、さらに細分化されています。

足の付け根がふくらむ病気は鼠径ヘルニア以外にもあり、リンパ節の腫れやNuck(ヌック)管水腫などの女性に多い病気、妊娠中にみられる血管のふくらみなどが原因の場合もあります。
足の付け根のふくらみや違和感が気になる方は、自己判断せず、一度医療機関を受診することをおすすめします。
鼠径ヘルニアの種類
こんな症状はありませんか?
About Inguinal Hernia

鼠径ヘルニアの症状って?

鼠径ヘルニアは、日常生活の中でさまざまな症状を引き起こすことがあり、特に動作や体勢によって症状が変化することがあります。

✓ 立ったときや力を入れたときに、太ももの付け根(鼠径部)がふくらむ

✓ 鼠径部に柔らかいふくらみがあり、手で押すとへこみ、横になると目立たなくなる

✓ 左右の太ももの付け根の形が明らかに違う

✓ 鼠径部や下腹部に違和感、不快感、時に差し込むような痛みがある

✓ 陰嚢(いんのう)が片側だけ腫れてくることがある


※ 脱出した腸が腹腔内に戻らないときは命に関わり緊急手術が必要となることもあります。

鼠径ヘルニアは、痛みが少ないために、そのまま様子を見てしまう方も少なくありません。
しかし、症状が進行すると「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる危険な状態になることがあります。

嵌頓とは、腸などのお腹の中の組織が、足の付け根のすき間に挟まってしまい、元に戻らなくなってしまう状態です。
この状態が続くと、血の流れが悪くなり、組織に十分な酸素が届かなくなって、重い場合には組織が傷んでしまうこともあります。

嵌頓が起こると、強い痛みや腫れ、赤みが出るほか、吐き気や嘔吐、便や尿が出にくくなるなどの症状が現れることがあります。
Features

鼠径ヘルニアになりやすい人の特徴

✓40歳以上の男性に多い

✓手術を受けている人は、60~70歳代が多い

✓重たい物を持ち上げる仕事をしている方

✓立ち仕事が多い方

✓便秘がちで、排便時にいきむことが多い方

✓前立腺肥大症があり、排尿時にいきむことが多い方

✓肥満気味の方

✓慢性的に咳が出る方

✓妊娠中の方

✓スポーツ選手など、腹圧がかかる動作を頻繁に行う方


参照:厚生労働省「第7回NDBオープンデータ」

Diagnosis

鼠径ヘルニアの診断方法

鼠径ヘルニアの診断には、立った状態と寝た状態での患部の診察・触診と鼠径部を除圧した腹臥位でのCT撮影をおこないます。

本当に初期の鼠径ヘルニアで臨床的にもCT検査でもはっきりしない場合は、数か月間の経過観察後に再度の診察をおすすめしています。
患者さまに合わせた
治療をえらびます
Treatment

鼠径ヘルニアの治療について

鼠径ヘルニアは組織が弱くなってできたヘルニア門である孔が原因のため、薬による治癒はできず、根本的治療は手術になります。ヘルニアバンドで体外から圧迫することで脱出による疼痛などの症状を緩和することはできますが、自然に治ることはありません。
従来の手術はヘルニア嚢を処理した後に、ヘルニア門を縫合閉鎖することが一般的でしたが、疼痛や高い再発率のため近年では人工のメッシュシートを使用した手術(Tension-free repair)が一般的です。
人工のメッシュシートは様々な形のものが開発され、それにより多くの術式が存在します。世界的にも様々な検討が行われていますが、一番よい特定の術式というものは決まっていません。日本ヘルニア学会からの診療ガイドラインでも、「各施設で習熟した術式を行うことが勧められる」とされています。
Point

当院での鼠径ヘルニア治療の特徴

特徴❶
日帰り手術も入院も対応可能

鼠径ヘルニアの手術は、近年では日帰りで行う医療機関が増えていますが、当院では日帰り手術・短期入院のどちらにも対応しています。日帰りが主流となる中で、入院という選択肢も用意できることは当院の大きな特長です。患者さんのご希望や体調、術後の経過に応じて、無理のない治療方法をご提案しています。

当院では、外科医2人体制で手術を行い、麻酔科医が専従で全身麻酔に対応しています。CTなどの検査も初診時に実施できるため、診断から治療までスムーズに進めることが可能です。日帰り手術を予定している場合でも、術後の状態に応じて入院へ切り替えられる体制を整えています。

特徴❷
安全かつ質の高い低侵襲手術を提供

当院では、安全性と治療の質を重視した低侵襲な鼠径ヘルニア手術を提供しています。身体への負担を抑え、回復の早い治療を目指しています。
手術は経験豊富な外科医による複数名体制で行い、麻酔科医が専従で全身麻酔を管理することで、手術中から術後まで高い安全性を確保しています。
術前検査から術後管理まで一貫した体制のもと、患者さん一人ひとりに合わせた鼠径ヘルニア治療を行っています。

特徴❸
高度な専門資格を持つ外科医が在籍

消化器外科を専門とする外科医が診療・手術を担当しています。
在籍する外科医は全員が日本外科専門医・指導医および日本消化器外科学会専門医・指導医の資格を有しており、消化器外科領域における確かな知識と経験を備えています。

さらに、内視鏡外科技術認定医や肝胆膵外科高度技能専門医といった高次専門資格を取得した医師も在籍し、腹腔鏡手術を中心とした安全性と質を重視した低侵襲手術を行っています。

日帰りも可能な負担の少ない手術です
Procedure

鼠径ヘルニアの手術方法

鼠径ヘルニアの手術には大きく分けて鼠径部切開法による手術と腹腔鏡を用いた手術があります。
手術のコンセプトは脱出した腹膜(ヘルニア嚢)を処理して、ヘルニア門にメッシュシートを置くというもので 大きくは変わりませんが、切開の場所や大きさが異なってきます。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術はアプローチの違いから、TAPP:Transabdominal preperitoneal repair(経腹的腹膜前修復法)とTEP:Totally extraperitonea l repair(腹膜外腹膜前修復法)に分けられますが、腹膜前腔にメッシュシートを留置するというコンセプトは全く同じです。当院では臍部の単一の創からTEPを行うSILS(Single incisional laparoscopic surgery)-TEPを主に行います。術後の疼痛予防としてタッカー(固定用のホッチキス)による固定を省略した方法なども行っております。また、ヘルニア門径などに応じてTAPPと使い分け、患者様の病態に最も適した術式を選択します。
SILS-TEP法
術式と傷の部位
SILS-TEP術のイメージ図

TAPP法
術式と傷の部位
TAPP術のイメージ図

鼠径部切開法

前立腺手術など腹腔鏡手術でアプローチする腹膜前腔がすでに治療されている方や、全身麻酔がかけられない方は、鼠径部切開法による手術を行います。腹腔鏡手術は全身麻酔が必要となりますが、鼠径部切開法では脊髄クモ膜下麻酔(腰椎麻酔)や局所麻酔での手術も可能です。鼠径部切開法による術式も様々なものがありますが、当院ではLichtenstein法(リヒテンシュタイン法)やダイレクトクーゲル法やメッシュプラグ法を主に行っています。Lichtenstein法とTEP/TAPP法ではメッシュの留置位置がヘルニア門の腹側か背側かという違いがあり、再発鼠径ヘルニアの際には両者を使い分けることで確実性の高い手術を目指します。
鼠径ヘルニアの種類
鼠径部切開法の手術イメージ
図2:鼠径部切開法の手術イメージ

鼠径ヘルニアの手術時の注意点

鼠径ヘルニアの手術には、一定の確率で合併症が起こる可能性があります。
受診の際には、手術についての説明文書をお渡しし、内容を一つひとつ分かりやすくご説明しますので、ご不明な点があれば遠慮なくご質問ください。
主な合併症については、以下にご紹介しています。
01 再発:
メッシュシートを用いる術式になり再発は減っていますが、組織の脆弱性などから再発をきたすことがあります。全国では2-3%と推定されています。長期的な発生もありますので、術後に変化があればご相談ください。
02 疼痛:(慢性疼痛)
術後数日は切開部の疼痛があるため鎮痛薬を処方します。多くの場合、痛みは徐々に和らいでいきますが、まれに数か月にわたる知覚異常や神経疼痛が残ることがあります。慢性疼痛は術後の生活にとても大きな影響を与える合併症です。手術時には神経の同定や温存、神経の存在しやすい部位の操作を避けたり、タッキングを省略するなどの工夫を行っていますが、確定的なものはありません。術後の疼痛にも対応を行っていきますので、術後の外来時にご相談ください。
03 感染:
まれに遅発性のものもあるため、創部の発赤や腫脹、疼痛がある際には診察を受けてください。軽いものは抗生剤治療で軽快することもありますが、感染が長引くときは再手術が必要になることもあります。
04 漿液腫:
ヘルニア嚢が大きい場合、手術部位に水がたまり、もともとの膨隆部に丸く硬いしこりを触れる場合があります。多くの場合、痛みなどはないため経過をみていくと徐々に小さくなっていきます。大きくて疼痛などがあれば穿刺して水を抜くこともあります。
Price

鼠経ヘルニアの治療費はどのぐらいかかる?

鼠径ヘルニアの治療費は、手術の方法や実際に使用する薬剤の量・種類によって多少の前後はあるものの、3割負担の場合は外来から入院までの総額として約10~15万円前後になります。
当院で鼠径ヘルニアの治療をする際には健康保険が適用され、高額療養費制度も利用可能なため、治療費が非常に高額になる心配はありません。
FAQ

鼠径ヘルニアに関するよくある質問

痛みがなくても治療は必要ですか?

鼠径ヘルニアは自然に治ることはありません。放置すると症状が進行し、嵌頓(かんとん)と呼ばれる危険な状態になることがあるため、早めの受診をおすすめします。

鼠径ヘルニアの治療に入院は必要ですか?

手術方法や全身状態によりますが、日帰り手術で行えるケースも多くあります。

手術後、日常生活に戻るまでどのくらいかかりますか?

個人差はありますが、軽い日常生活は手術当日より制限なく可能です。重い物を持つ作業や激しい運動は、一定期間控えていただきます。

鼠径ヘルニアが再発することはありますか?

再発の可能性はゼロではありませんが、適切な手術を行うことで再発率は低く抑えられています。

患者さまへのご案内:

「鼠径ヘルニア」に関する最新記事:

「鼠径ヘルニア」に関する最新コラム:

「外科部門」
へ戻る
胆のう疾患について
胆石や胆囊ポリープが
対象疾患です
胆のう疾患について
虫垂炎について
薬による治療を
過去に受けた方へ
虫垂炎について
腹壁ヘルニアについて
おへそ付近の
膨らみに要注意
腹壁ヘルニアについて

お探しの情報は見つかりましたか