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日帰り手術・短期滞在手術とは?

日帰り手術・短期滞在手術とは?

日帰り手術とは、手術を受けた数時間後にはご自分で歩いて帰宅できる治療です。欧米では一般的な手術方法で、日本でもその安全性と利便性から積極的な導入が始まっています。その背景には、医療技術や機械の進歩により、患者様への負担の少ない術式の確立、安全性の高い麻酔方法などにより日帰りで受けられる手術が増えていることが挙げられます。

厳密には、日帰り手術は2週類あります。ひとつは入院施設のないクリニックでの日帰り手術で、保険診療上は外来手術になります。もうひとつは病院や有床診療所での日帰り手術で、保険診療上は入院治療になります。(※当院は病院施設のためこちらに該当します。)

短期滞在手術とは、1泊などの短期入院で治療するものをいいます。

どのような疾患で日帰り手術が可能?

日帰り手術を行うためには次のような条件を満たす必要があります。

  1.手術時間が短く侵襲も比較的小さいこと

  2.術後改めて何らかの治療を行う必要がないこと(ドレーン抜去など)

  3.術後早期に経口摂取、トイレ、歩行などが可能なこと。

  4.術後の創部の痛みは、体動時を中心に数日はあるものの、一般的な通常の内服の鎮痛薬で対処

    でき、入院治療でも自宅療養でも対応に差がないこと

当院で行っている鼠径ヘルニア(脱腸)手術や内視鏡的治療(大腸ポリープや早期がん)は上記の条件を満たしています。

日帰り手術・短期滞在手術のメリットは?

日帰り手術・短期滞在手術の一番のメリットは入院時間が大幅に短縮できることです。術前と同じ環境下で日常生活が継続できるため、早期の社会復帰が可能になります。仕事世代の方では、仕事や家庭の調整などの負担が減りますし、ご高齢の方では周術期の環境の変化が少なくなることで、術後のせん妄のリスク軽減になります。

一般的に総合病院で鼠径ヘルニア(脱腸)や胆のう摘出術、内視鏡的ポリープ切除術などの治療をうけると少なくとも2泊3日~3泊4日の入院が必要となります。(DPCデータに基づく病院情報によると鼠径ヘルニア手術の平均在院日数は4.59日となっています)。多くの総合病院では、前日入院が必要です。病棟や手術室オリエンテーション、手術当日の絶食の管理などを行うためです。当院では、外来で十分にオリエンテーションを行い、手術当日の流れを一緒に確認するため当日入院を実現させていています。また当院のスタッフは外来も手術室も内視鏡室も担当しますので、一貫して患者様と関わっていくことができます。

日帰り手術・短期滞在手術はどのようなところで行われる?

現在多くは一般的な総合病院で治療が行われます。前述のように、長めの入院期間が必要であったり、外来の待ち時間が長かったりすることがあります。また総合病院ではがんの手術や緊急手術も多く行われるため、日帰り手術に向いている鼠径ヘルニアなどの良性疾患の手術枠が多く確保できず、手術待機時間も長くなる傾向があります。

一方で日帰り専門のクリニックは術後に入院を要する場合に対応が難しいため、手術を行う患者さんの条件を厳しくせざるを得なくなります。

当院では、入院も可能な日帰り手術ユニットを併設しているため日帰り手術・短期滞在手術において理想の形となっております。

病歴や術前検査を確認して一部の方には、入院での治療をおすすめすることがありますが、大きな問題のない方は患者さんのご希望に沿って日帰りと入院を選択いただけます。

日帰り手術に適した病院・施設

日帰り手術をうけた後の経過は?

手術後は手術室のすぐ横のリカバリー室で経過をみます。麻酔後の回復をAldrete score system(活動性、呼吸、循環、意識、酸素飽和度)を基本に観察します。問題がなければその後約2時間で、歩行、トイレ、飲水、軽食の摂取などを行います。退院基準(バイタルサイン、自立歩行、悪心嘔吐や疼痛の程度、創部の観察など)をみたせば、診察後に退院となります。退院時には必要な処方を行い、薬や退院後の生活について説明します。翌日に医師が電話をし、体調や傷の状態の確認を行います。

安心安全な日帰り手術のために

日帰り手術が比較的普及してきたことには、負担の少ない術式の確立、安全性の高い麻酔方法が大きく関わっています。当院では麻酔科医師とも連携し、術後の鎮痛対策、悪心嘔吐対策の知識をアップデートしながら手術を行っています。また、適切な術式を選択することで切開創の縮小や手術時間の短縮が行えるように日々努めています。スタッフも日本短期滞在外科手術研究会での勉強などケアの面でもブラッシュアップを行っています。

<当院で日帰り手術・短期滞在手術を受けられた方の例>

事例①:あるご高齢の患者様が日帰り手術を希望されました。過去に長期の入院が必要となり、体力が落ちたことにとても不安を抱いていたそうです。術前検査や帰宅後の環境に問題がないことを確認して日帰り手術を行いました。手術2時間後にしっかりとした足取りで帰宅され、術後数日目の外来では経過も順調でとても満足されていました。

事例②:またある若い患者様は、術後に家に帰ると家事などをしなくてはいけないためゆっくりしたいと一泊されました。術後は問題なくお部屋で休まれており、「久しぶりにゆっくりできました」とお話しされていました。

事例③:お仕事のお忙しい患者様は、土曜日しか来院できないため土曜日の術前検査、日帰り手術、術後外来とすべて土曜日で行うことができました。多忙な仕事の中で通院回数が少なくすんだことをよろこばれていました。

さまざまな背景をお持ちの患者様がいらっしゃると思います。当院では幅広い選択肢を提示できるように丁寧に説明をさせていただきたいと思います。

文責/医療監修 西宮敬愛会病院 消化器外科部長 三賀森 学

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