鼠径ヘルニアは、足の付け根付近の筋膜や筋肉のすき間から、腸などの内臓の一部が皮膚の下へ飛び出してしまう病気です。初期には痛みが少なく、横になると膨らみが目立たなくなることもありますが、鼠径ヘルニアは自然に治る病気ではありません。放置すると膨らみが大きくなったり、痛みや違和感が強くなったりすることがあるため、早めに医療機関へ相談することが重要です。
豊中市周辺では鼠径ヘルニアを専門的に扱うクリニックは限られているため、受診する範囲を広げた結果、西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターを選ぶ方もいます。この記事では、手術方法の違いや日帰り・入院手術の選び方など、後悔しない病院選びのポイントを解説します。あわせて、当院の治療体制や手術の流れ、豊中市からのアクセスについても紹介します。
鼠径ヘルニアの治療では、症状や身体の状態に合わせて、適切な手術方法や通院計画を選ぶことが大切です。鼠径ヘルニア(脱腸)手術を受ける際、どのような病院を選んだらよいか、ポイントをご紹介します。
鼠径ヘルニアの主な手術方法には、腹腔鏡を用いる方法と鼠径部を直接切開しておこなう方法があります。どの術式が適しているかは、ヘルニアの大きさや部位、過去の手術歴、持病、全身の状態などを確認したうえで判断されます。
≪腹腔鏡手術≫
腹腔鏡手術は、お腹に小さな穴を開け、手術用の内視鏡を用いて腹腔内で手術する方法です。傷が小さく、術後の回復が早い傾向があるため、日常生活や仕事への復帰を考える方にとって選択肢のひとつとなります。腹腔鏡手術には、大きく分けてTEP法とTAPP法があります。
TEP法は、腹腔内には入らず、腹壁と腹膜の間のスペースを使ってヘルニアを修復する方法です。腸などがある腹腔内に直接入らないため、腹腔内の癒着や腸への影響を抑えやすい方法とされています。当院では1か所の傷から手術を行う、単孔式TEP法を行っております。ただし、限られたスペースで操作をおこなうため、医師には専門的な技術と経験が求められます。内鼠径ヘルニアの方や腹腔内への影響をできるだけ避けたい場合などに検討されることがあります。
TAPP法は、腹腔内からヘルニアの状態を確認し、腹膜を切開してメッシュで補強する方法です。お腹の中から広い視野で確認できるため、ヘルニアの状態を把握しながら修復しやすい利点があります。一方で、腹腔内に入る方法のため、過去に腹部手術を受けたことがある方などは、癒着などの影響により適応が限られる場合があります。大きめの外鼠径ヘルニアや左右両側のヘルニア、再発した方などは、状態に応じてTAPP法が検討されます。
≪鼠径部切開法≫
鼠径部切開法は、鼠径部の膨らみのある部分を切開して、飛び出した組織を押し戻し、ヘルニアの原因となっているすき間をメッシュで補強する手術方法です。局所麻酔や腰椎麻酔でおこなうことができ、手術時間が短めという利点があります。一方で、腹腔鏡手術に比べると傷が大きくなり、術後の痛みや違和感が出やすいデメリットがあります。鼠径部切開法は、全身麻酔が難しい方や、前立腺手術などの過去の手術歴により腹腔鏡手術が適さないケースで検討されます。
鼠径ヘルニア手術には、日帰り手術と入院手術の選択肢があります。近年では、腹腔鏡手術など身体への負担に配慮した方法が広がり、患者さまの状態によっては日帰り手術が選択されることもあります。
日帰り手術の場合は、手術後に院内でしばらく安静にして、歩行や痛みの状態などに問題がないことを確認したうえで、その日のうちに帰宅できます。自宅で落ち着いて過ごせるため、仕事や家庭への影響をできるだけ抑えたい方、介護や育児などで長期間家を空けにくい方にとって、検討しやすい選択肢です。
一方、入院手術では、手術後に病院で経過をじっくり見ながら回復を待つことができます。術後の痛みや体調に不安がある方、ご高齢の方、遠方から来院される方、持病がある方などでは、入院が適している場合もあります。
日帰りと入院のどちらがよいかは、手術方法だけでなく、ライフスタイルによって異なります。無理のない治療計画を立てるためにも、診察時に希望や不安を医師へ相談しておくことが大切です。
鼠径ヘルニアの手術は総合病院や専門クリニックなど、さまざまな医療機関でおこなわれていますが、施設によって診療体制や手術方法、専門性などに違いがあります。
総合病院では、外科や消化器外科が鼠径ヘルニアの診療を担当することが一般的です。複数の診療科と連携しやすい一方で、施設によっては悪性腫瘍など他の手術を優先的におこなっている場合もあり、鼠径ヘルニア手術の待機期間が長くなることがあります。
一方、専門クリニックでは、日帰り手術を中心におこなっている施設もあり、受診から手術までの流れがわかりやすい点が特徴です。ただし、入院設備の有無や、術後に体調不良があった場合の対応体制は施設によって異なります。
医療機関を選ぶ際には、ホームページなどで公開されている手術実績や症例数も、参考情報のひとつになります。手術実績を確認する際は、鼠径ヘルニア手術に特化した件数かどうかも意識しておくとよいでしょう。外科全体の手術件数に鼠径ヘルニアが含まれている場合もあるため、可能であれば鼠径ヘルニア単独の実績を確認することをおすすめします。

豊中市周辺では、鼠径ヘルニアの治療は主に総合病院の外科でおこなわれることが一般的です。また、鼠径ヘルニアに専門的に対応するクリニックや医療機関もみられますが、その数は限られています。
医療機関ごとに、診察から手術までの流れや通院回数、手術日程の決め方には違いがあります。外来受診や検査の回数、手術までの期間は、各施設の診療体制や予約状況によって異なり、場合によっては手術日程の調整や複数回の通院が必要になることもあります。
当院では、診察から手術までの流れをできるだけスムーズにできるよう体制を整えています。通院回数や手術日程についても、患者さまの症状や検査結果、ご都合を踏まえながら個別にご相談いただけます。また、手術は原則、ほぼ毎日実施しており、日程についても柔軟に調整できる体制を整えています。
現時点では、豊中市内から来院される患者さまの割合は多くありませんが、大阪府内全体では10%ほどの患者さまが来院されています。
当院は、阪急宝塚線やお車でのアクセスが良好な立地にあり、大阪府北部エリアからも通院しやすい環境です。豊中市にお住まいの方にとっても、選択肢の一つとしてご検討いただけます。
豊中市にお住まいの方にとって、西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターは、鼠径ヘルニア手術を検討する際の候補となる医療機関です。ここでは、当院の治療体制や受診しやすいポイントをご紹介します。
西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターでは、鼠径ヘルニア治療において、専門性の高いチーム医療体制を整えています。手術は、術者と助手の外科医2名体制でおこない、麻酔科専門医1名、手術室看護師2〜3名が加わります。複数の医療スタッフが連携することで、術中の変化や想定外の事態にも対応しやすい環境づくりを重視しています。また、鼠径ヘルニア手術に携わる外科医3名は、いずれも鼠径ヘルニア手術の豊富な経験があり、在籍する外科医全員が日本内視鏡外科学会の「内視鏡技術認定医」を取得しています。
当院では、患者さまの身体的・時間的負担に配慮し、日帰り手術と短期入院のどちらにも対応しています。術前検査で大きな問題がなく、医師が日帰り可能と判断した場合は、手術当日にご自宅へ帰ることができます。
一方で、「初めての手術で不安がある」「術後は病院で様子を見ながら過ごしたい」という方には、短期入院での対応もご相談いただけます。また、手術後の状態によっては、当初日帰りを予定していた方が入院に切り替える場合や、入院予定だった方が日帰りに変更できる場合もあります。患者さまの症状、全身状態や検査結果、術後の経過を踏まえながら、忙しい方でも治療を受けやすい治療計画をご提案しています。
西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターでは、患者さまの症状や身体の状態に応じて、複数の術式の中から適した方法を検討できる体制を整えています。腹腔鏡手術(TEP法・TAPP法)を中心に、患者さまの状態に応じて鼠径部切開法も選択可能です。いずれの術式についても、適応については当院の基準をもとに総合的に判断しています。また、TEP法については、一つの傷でおこなう単孔式TEP法(SILS-TEP)にも対応しています。診察や検査結果をもとに、患者さま一人ひとりに合わせた治療方針をご提案しています。
西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターでは、鼠径ヘルニア手術において、合併症や再発リスクに配慮した治療をおこなっています。鼠径ヘルニア手術では現在、弱くなった部分をメッシュで補強する方法が広くおこなわれています。組織を無理に縫い寄せるのではなく、メッシュで支えることで、術後の痛みや再発リスクの軽減が期待されています。当院では、ヘルニアの大きさや種類、発生部位に応じて、使用するメッシュや固定方法を検討しています。
術後合併症はとても少ないですが、再発や疼痛の経過は外来で慎重に診ていきます。また、メッシュの固定方法についても、再発リスクだけでなく術後の痛みや違和感にも配慮し、患者さまの状態に合わせて選択しています。
手術後は、傷の状態や体調の変化を確認しながら、再発や慢性的な痛みなどにも注意して経過を見ていくなど、安心して手術を受けていただけるように努めています。
鼠径ヘルニアの初期症状では痛みを感じないこともあり、自分では気づきにくい場合があります。ここでは、鼠径ヘルニアの主な症状や受診の目安について説明します。
鼠径ヘルニアの初期症状としてよく見られるのは、足の付け根に生じるやわらかい膨らみです。立っているときやお腹に力を入れたときに目立ちやすく、手で押すと引っ込んだり、横になると消えたりするのが特徴です。このほか、軽い痛みや違和感、引っ張られるような感覚が出ることもあります。男性の場合は、陰嚢(いんのう)が片側だけ腫れてくるケースもあります。初期にははっきりとした痛みが出ないことも多く、入浴中に鼠径部の膨らみに触れた、重いものを持ったときに違和感が出る、咳やくしゃみ、排便時に膨らみが目立つといったことが気づくヒントになります。
鼠径ヘルニアは、自然に治ることはなく、時間の経過とともに症状が進むことがあります。初めは小さな膨らみでも、徐々に大きくなり、違和感や痛みが強くなることがあります。
また、膨らみが大きくなるほど出血が多く、手術時間も長くなります。特に注意が必要なのが、飛び出した腸などが元に戻らなくなり、ヘルニア門に挟まって締め付けられる「嵌頓(かんとん)」です。嵌頓になると、強い痛みや嘔吐などの症状が現れ、腸への血流が悪くなると、壊死に至るおそれがあります。
そのようなリスクを防ぐためにも、鼠径部の膨らみや違和感に気づいた段階で、早めに医療機関へ相談することが大切です。
鼠径ヘルニアの手術のタイミングは、症状の進行度や日常生活への影響を踏まえて検討されます。膨らみが小さく、痛みや不快感がほとんどない場合には、経過を観察することもあります。
ただし、鼠径ヘルニアは自然に治る病気ではなく、時間の経過とともに膨らみが大きくなったり、違和感や痛みが強くなったりすることがあります。そのため、症状の変化がみられたときは、手術を検討する目安となります。また、嵌頓のリスクを踏まえると、症状が進行する前に適切なタイミングで手術を検討することが望ましいといえます。
症状の進み方には個人差があるため、自己判断をせず、早めに医療機関で相談し、手術のタイミングを確認することが大切です。

西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターでは、初診から手術までをできるだけスムーズに進められるよう体制を整えています。ここでは、受診から手術までの流れや通院回数・スケジュール、術後のフォロー体制についてご説明します。
当院での、初診から手術までの流れを、時系列に沿ってご説明します。
1.初診
問診票をもとに医師がお話しを伺います。鼠径ヘルニアでは、立った状態と横になった状態で患部を診察・触診します。女性の患者さまの診察時には、必ず女性スタッフが立ち会います。
2.手術の説明・手術日決定
診察後、手術内容を説明します。ご本人に同意をいただいたうえで同意書を作成し、手術日を決定します。
3.検査
術前検査として、血液検査、心電図検査、呼吸機能検査、超音波検査をおこないます。CT検査は同日に実施する場合もありますが、造影検査が必要な場合や時間帯によっては別日におこなうことがあります。可能な限り、初診時に検査まで完了できるよう調整しています。
4.手術前の説明
検査終了後、スタッフより手術当日までの過ごし方や当日の流れ、術後の注意点について、冊子を用いてご説明します。喫煙されている方には、手術前2週間の禁煙をお願いしています。術前検査で問題がなければ、手術当日にご来院いただきます。持病がある方や追加確認が必要な場合には、再度外来で検査結果をご説明し、必要に応じて麻酔科医の診察や、かかりつけ医への確認をおこないます。
5.手術日前日
手術前日も入浴は可能です。食事は前日24時以降お控えください。飲水は手術2時間前まで可能ですが、手術時間によって異なるため、事前にご案内します。
6.手術日当日
受付後、手術着に着替えていただきます。スタッフが最終確認をおこない、手術室へご案内します。看護師がお名前を確認した後、全身麻酔をおこない、手術を開始します。鼠径ヘルニアの手術は平均約1時間です。
7.手術後
手術後は、手術室で麻酔から覚めたことを確認したうえで、医師付き添いのもとリカバリー室へ移動します。リカバリー室では、モニターを装着してしばらく安静に過ごしていただきます。状態が安定し、離床の基準を満たした後は、リクライニングチェアに移ってお休みいただきます。術後約2時間を目安に、水分摂取や軽い食事、歩行、排尿などをおこなっていただきます。短期入院の患者さまも、術後約2時間はリカバリー室で経過を確認します。状態に問題がなければ、病棟へ移動していただきます。
西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターでは、手術をご希望される方に対し、初診時に診察・手術説明・同意書の作成・手術日の決定・術前検査までをおこなえるよう調整しています。術前検査で大きな問題がなければ、次回の来院が手術当日となる場合もあり、手術までの通院は1回程度が目安です。
一方で、持病のある方や追加検査が必要な方、CT検査を別日におこなう場合などは、手術前に再度外来を受診していただくことがあり、手術までの通院が2回程度必要になる場合もあります。
お仕事やご家庭のご予定を調整される際は、「初診・術前検査」と「手術当日」の2回を基本に、必要に応じて追加受診がある可能性も見込んでおくと安心です。
西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターでは、手術後も安心して過ごせるよう、術後の経過確認やフォロー体制を整えています。
手術後はリカバリー室でお休みいただき、看護師が状態を確認します。医師が診察をおこない、退院基準を満たしていることを確認したうえで退院となります。退院時には緊急時の連絡先をお渡しし、不安な点がある場合にご相談いただける体制をご案内しています。
術後1週間を目安にご来院いただき、傷の状態や体調の変化を確認します。その後は2~3か月前に確認を行い、その後は患者さんの状態に応じて経過観察をご相談いたします。
西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターには豊中市にお住まいの方も受診されています。ここでは、豊中市から電車と車を利用しての当院へのアクセス方法をご紹介します。
≪最寄り駅≫
当院の最寄り駅は、西宮北口駅(阪急神戸線)です。西宮ガーデンズへ向かう東改札口を出て徒歩6~7分で到着します。途中の道は西宮ガーデンズの回廊で、多くが屋根のある道になっています。
≪最寄り駅までのアクセス≫
豊中駅から
阪急宝塚線で「豊中駅」から大阪梅田方面行きに乗車し、「十三駅」で阪急神戸線に乗り換えます。「十三駅」から神戸三宮方面行きに乗車し、「西宮北口駅」で下車します。所要時間は約30~35分です。
千里中央駅から
千里中央駅から北大阪急行(御堂筋線と相互直通)に乗車し、「梅田駅」で下車します。徒歩で「大阪梅田駅」へ移動して阪急神戸線に乗り換え、「西宮北口駅」で下車します。所要時間は45分ほどが目安です。
また、千里中央から大阪モノレールで「蛍池駅」へ向かい、阪急宝塚線に乗り換えて「十三駅」経由で「西宮北口駅」へ向かうルートもあります。所要時間は40~50分です。
豊中市中心部(市役所周辺)から国道176号方面へ進み、西宮北口・阪急西宮ガーデンズを目指します。目的地周辺では、阪急西宮ガーデンズ南西側の「高松町南交差点」を目印にし、交差点から南へ進むと当院があります。所要時間はおよそ30〜40分です。
鼠径ヘルニアは、初期には痛みが少なく、膨らみも横になると目立たなくなることがあります。しかし、自然に治る病気ではなく、放置すると膨らみが大きくなったり、痛みが強くなったりするほか、嵌頓など緊急性の高い状態につながる可能性もあります。
西宮敬愛会病院COKU鼠径ヘルニアセンターでは、患者さまの症状や全身状態に合わせて、腹腔鏡手術や鼠径部切開法など複数の術式から最適な治療方法を検討しています。また、日帰り手術・短期入院のどちらにも対応し、初診から手術、術後フォローまで安心して進められるよう体制を整えています。
豊中市からも電車やお車で通院しやすい立地にありますので、足の付け根の膨らみや違和感など、少しでも気になる症状がある方は、早めにご相談ください。